ウチの土地はどこにあるのか?

相続登記をする際に、所有している土地を調べてみると、先祖代々引き継いできた土地がたくさん出てきた。

  • それがどこにあるのか?
  • 現地を見たこともない。
  • 調べ方もわからない。
  • まったく見当もつかない。

という話は、この業界でお仕事をさせて頂いてから何度も聞くことがありました。

何も起こならないために、できるだけ、気付いたときに、可能な範囲で、状況を把握しておくことをお勧めします。


相続をする方がその土地を利用をされないとしても、何かあったときは所有者としての対処が求められ、また責任もついてきます。
それじゃあ!と思って、市町村窓口に行っても貰い受けて頂けるケースは少ないようです。
というのも、今度はその市町村に管理責任や管理費用などが発生しますので、よほど公共的な利用価値がない限りはタダでも貰ってくれません。


民法 第717条

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。



そういう事情もあってか、最近では現在の不動産の所有者の方が、今後相続人となる方々のために、生前に財産の管理や整理をし相続などの準備をされるケースも増えてきているように思います 。

では、もし土地の場所がわかないままずっとそのままにしていたらどうなるでしょうか?


多分すぐには、何も起きないと思います。ですので、そのままになっている土地はたくさんあります。


では、もしなにかあった時はどうなのか?

なにかあった時、つまり、その土地が原因で、まわりの土地/建物へ被害があれば、損害賠償金の支払いや、危険が及ばないための工事費を支出することになったりするかもしれません。

例えば、その土地に大きな木があったとして、それが倒れてしまったとします。

民法には以下のような規定があります。

第233条

隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

これは逆に言うと、勝手には木をきることはできないのです。

しかし場所を把握して、現地を確かめておかれると、事前に対応ができますね。

最後に

なにも問題が起きないのが一番ですが、相続した土地ががけ崩れを起こして、補修費用に数百万かかった、とかそんな話も聞いたこともあります。

何も起こさないために、できるだけ、気付いたときに、可能な範囲で、状況を把握しておくことをお勧めします。