古い地図

登記事項証明書、登記簿謄本などと同じく、土地の調査を行う際には、各図面も調査しますが、その中で「アザズ」「コウズ」「チズ」と呼ばれている図面があります。

これらの歴史は、 以前 少しだけ紹介しましたが、 私が「土地家屋調査士」になりたい!、と思うきっかけになった一つでもあります。

単なる図面、書類と考えることもできますが、それぞれに歴史的な背景があり、探求心をくすぶられました。



今回は実物がどういうものかを紹介いたします。

早速、こちらが「地図」と言われるものの一部を切り抜いたものです。

「土地の形状」が図形で表され、

「土地の地番」は数字によって表します。

「水」は水路、「道」は道路、里道を表します。

水路は昔の図面では青く塗られていたことから、「青線(あおせん)」、里道は赤く塗られていたので「赤線(あかせん)」とも言われます。



この図面は地図ですので、土地の境界点には座標値が与えられいます。ですので、現地復元能力のある図面ということになります。

ただし、測量した年代により精度に誤差があるため、また、その他様々な事情によりその座標値が必ず「筆界」であるか?は実際に調査をしないとわからないケースもあります。


次は旧字図と言われるものです。

上の地図と重複した土地もある近い位置のものとなります。興味のある方はじっくりと見比べてみてください


当たり前ですが、昔は手書きでした。赤線、青線の意味がわかりやすいですね。


この昔の地図が、現在の地図となる間には一般的に「あざず」と呼ばれている図面があります。

地図整備が終わっている地域は、全国でも52%程度(平成29年末)ですので、まだまだ半分程度です。

「あざず」は旧字図を今の地図のような見た目に整えたものとお考えください。大まかな形状や土地の配置の参考資料となります。

地図なのか?あざずなのか?

わかりやすい違いは、図面の下部のこの欄を確認してみてください。

「地図」であれば、ここに「地図」と表記があります。

「あざず」には上の画像のように「地図に準ずる図面」と表示されています。

「あざず」は「地図」が法務局に備え付けられるまでの間、土地の特定をするために広く一般的に使われている図面になります。

座標値はありませんので、この図面のみでは現地復元能力はありません。